~選択~ おたよりコラムより
【選ぶ】ことは、子どもたちの学び・主体的な姿への育ちにとって必要不可欠な体験であり、一つ一つが大きな経験となります。
「選ぶことでより意欲的に取り組める」ということは、子どもに限ったことではなく大人も同様です。
そんな経験が保護者の皆様にもあると思います。蒲田第二では、選択する経験を乳幼児期から、意識的に保育に取り入れています。
0歳児から、子どもたちは多くの選択をしながら生活しています。おもちゃや遊びだけでなく、何かをしてもらう大人もこの頃から、じっくり
観察して選んでいます。保育園でも、担任の先生に抱っこしてもらうために近づいていきます。担任がその場にいないとわかると
「誰にしようか??」といった表情で他の大人を観察しています。「じゃあ、次によく来る園長先生でいいかな!」・・という風に、じっくり
観察し抱っこしてもらう人を選んでいます。ご家庭でも、「抱っこはお母さん!おむつはお父さん!ご飯は・・・」といったようにその時の
気持ちで、大人を選ぶ姿があると思います。
おもちゃを選ぶ際も同様です。0歳児でも、自身が心地よく過ごすためにしっかりと感じ、考える姿がそこにはあります。
その考えている時間こそが、成長している時間とも言えますね。その為、選択を大人の価値観で決めてしまうのではなく、子どもたちが自身で
選択できる環境を保障する事が重要です。
物事を選択し、自己主張すると同時に、責任を持つことも学んで(覚えて)いきます。また、選択し、意欲的に体験してみることは
考える事・振り返る事にもつながります。この振り返りも学びの大きなポイントです。
子どもたちは、「過去」を振り返り「今」に活かし、過去に経験したことを糧として「未来」を想像します。
一つ一つの選択が「見通しを持つ力」や「我慢する力」(情動コントロール)にもつながっていきます。
また、選ぶためには、実体験も大切です。体験したからこそ、より考えて選ぶことが出来るようになっていきます。
「選択」と聞くと「やりたくないことはやらなくていい!」「好きな事だけ、していればいい」という見方をされがちですが、そうでは
ありません。保育園として、子どもたちが成長していく上で、体験してほしいことに関しては興味が持て、参加してみたくなる
環境作り等、子どもたち一人ひとりに合わせた保育的なアプローチをしています。
また、物事にはルールがある事、守る事(安全面・相手の気持ちを考えてみる等)の大切さもしっかりと伝えていきます。
乳幼児期からの“実体験”と“選択”を大切にしていくことで、初めて主体性が育まれていくと考えています。
乳幼児期のこのような体験が、後に大人になったときの基盤となります。保育では有名な著書「子どもへのまなざし」にもこのように
記されています。
「乳幼児期は人間が作られる基礎工事。後に立派な建物を建てようとしても基礎工事がしっかりとしていなければ建てることは出来ない。
そして大人になってから基礎工事をやり直すのは困難な事・・・」まさに現在、我々が携わらせて頂いている乳幼児期は最も重要な
「初めの一歩」だと考えています。
蒲田第二では、子どもたちの<様々な初めての実体験(挑戦)と多くの選択>を側で見守り、子どもにとって必要な
応答的な援助や問いかけを行い、「豊かに生きる力が育まれる」保育を実践していきます。
“「子どもたちにとって」を考え続ける”をモットーに、保護者の皆様と一緒に素敵な保育園を作っていきたいと思っています。
蒲田第二:西出