~おたよりコラム~
毎月、お便りにて「保育のお話」を載せています☆
少し長いですが、よろしければご覧になってくださいね!
「応答的な関わり・必要な問いかけ ~子どもの成長のカギ~
☆応答的な関わりとは・・・子どもの発信、表現等を受け取り、必要に応じた援助をする事。
子どもたちは、生まれてすぐ「泣く」という表現方法で生きるために必要な、様々な事を大人に教えてくれています。
成長するにつれて、じっと見つめたり、表情で表したり、指をさしたり・・・、次第に相手に伝える手段が言葉へと成長
していきます。ここで大切なのは伝えようとする行動をしっかりと読み取ってもらう(受け止めてもらう)経験を積むことです。
その経験の積み重ねの一つひとつから、日々表現方法を学んでいます。
保育者に限らず周りの大人は、決して先回りせず、常に子どもたちは何を考え、何を表現しているのかを考え続ける事が必要です。
まずは、一人ひとりの今の発達を理解するということが大前提にあります。発信する前に、先回りし過度に干渉して
しまうことで、一つ、また一つと経験する機会を奪ってしまうことになります。
例えば、<転んで泣いている子に「痛かったね」と声をかけ起こしてあげる。>この場面も、実は大人目線の
価値観を押し付けてしまっている援助になる場合があります。実際は、<転んだことに悔しくて泣いていかも
しれない。一番になれなくて泣いているのかもしれない。実は自分で起き上がろうと考えていたかも
知れない。>等、様々な事が予想されます。発信(目線や手ぶり、言葉・表情)に注目するとともに、
「どうしたの?」「大丈夫?」「○○手伝おうか?」等、子どもの本当の思いを知ろうとする問いかけが必要です。
大人の経験則や大人の価値観を一度捨て、真っ新な気持ちで子どもたちと向き合うことが大切です。
生活面でも、応答的な関わりが重要です。保育園の着脱の場面では、まず子どもたちが自身でやってみることが出来る
場所・時間を十分に確保します。できない時に、目線や声で「やってほしい」事を保育者に伝えられる様に近くで見守り
ます。もちろん、まだまだ難しい発達段階の子には楽しみながら一緒にやってみる機会をこちらから声を掛けますが
やってみようとする子に対しては、その時の意欲を尊重します。大人が履かせてあげるのは簡単です。
しかし、この機会も大切な学び(ここでは、表現する・履く動作)の場となっています。応答的な関わりは、成長の機会を奪わないということにつながります。
もちろん思いの尊重を大切にしつつ、最後にはしっかり履けたかの確認と声掛けは必ず行います。日々の遊びや生活の中には、学びがあふれています。
その学びのきっかけ作り、機会の保障・環境構成・問いかけこそが保育者の重要な役割だと思っています。
蒲田第二:西出